また口内炎の話してる

また口内炎の話してる

桃司一家のある日


「…………」

「ただいまー。」

娘二人に迎えられつつ 司に声をかける。

「おかあさま、おとうさまかえってきたよ?」

「…おかあさま?」

「……あっ おかえりなさい。
夕食、出来るのにもう少しかかるので…先にお風呂行ってきてください。」

「…分かった、ふたりはもうお風呂入った?」

「「まだー」」

「よーし じゃあ今日はおとうさまとお風呂いこう、ほら お部屋で着替え取って 先に入ってて。」

「「はーい」」

ひさしぶりだねー、ねー。 と話しながら娘たちはキッチン もといリビングを後にする。
その後ろ姿を見届けてから、また司に声をかける。

「…司どしたの。何かあったわけ?」

「べ、べ つに…?」

少し目を見開いて 明らかに動揺した素振り、これは何かあったときの司。

「ダウトー、見抜かれないとでも思ってんの?」

「……昔にも こんな事ありましたね…ふふっ…」

少し間を置いて呟き 司はくすくすと笑う、可愛いけれど理由が分からない から少し怖くもある。

「な、なに?ほんとどうしたの?」

「私ももう大人になりましたからね、あのときはまだ子供でしたから…今日はちゃんと言いますよ。」

笑いながらそう言って少しこちらを向く、表情 はいつもと変わらない。雰囲気ちがうかな ってくらい。

「口内炎です、こーないえん。」

ひらがなっぽく、子供みたいに舌まで出しちゃって、子供か?可愛いけど。

「…ふ、確かに前にもあったね、そんな事。」

「ふふ、そうでしょう?…野菜多めのメニューにした方が良いな、って思ったんですけど…あの子たち 野菜苦手でしょう?だからどうしようかと悩んでいて…
薬に頼っても良いんですけど それもなんだか癪で…」

早く消えてほしいんですけど、とか言いながら舌先を少し出す。
少し俯いた綺麗な顔。ほんと 綺麗、どこから見てもどんな表情をしていても綺麗なんだから狡いと思う。

「…桃李くん?どうしました、そんなにじっと見て。」

「んー…?良いこと考えてただけ…♪
司 舌出してみて、べーって。」

言われた通り 素直に舌を出す、それも やっぱり綺麗。

「ほうれすは?」

少し笑う と少しむっとした顔をされる。

「……なんなんれす…っ!」

食べた、文字通り 食べた。

食感 触感?を味わいながら自分のそれとも絡める。

たべたとき というかその寸前 顔を近付けたとき、司は反射で目を閉じていた 今も。

ちなみにボク、キスするときは目開けてる派です 反応を楽しんでる。

この表情を知ってるのはボクだけ 今この瞬間 司の意識は全部ボクに向いてる、なんて考えてると 息苦しくなったのか司が少し胸をたたく。

「っは…はぁ……なにするんですっ…!」

肩で息をしながら 少し涙目になって少し睨む、これ 上目遣いだ。

「はは、怒ってる?」

「おこっ…ては無いですが!ないですが!いきなり…!」

「口内炎 治った?」

「治るわけ無いでしょう!というかわざと口内炎できてる所狙ったでしょう!?」

「司が分かりやすい反応するからじゃん、好きな子ほどいじめたくなる…♪」

「いまの凛月先輩っぽかったですね…というか最近似てきてるような…?」

「えー、なんでこの雰囲気で他の男の名前出すわけー?」

「雰囲気もなにもないでしょう、ほら お風呂行ってきてください。」

「ちぇー いいけど、今日 させてくれるの?」

「っ……その気分にさせてくれるなら…」

「わーいわーい、お風呂行ってきまーす♪」

いまの子供たちの真似ですか…とか後ろから聞こえてくる、今夜は司を独り占めできるらしいから桃李さまはご機嫌なのだ…♪
NEW ENTRIES
本日のニュース(01.27)
今日は(01.24)
インターネットに委ねて(01.01)
(09.11)
8月31日(08.31)
びっくりしちゃった(07.02)
タイトルを入力(01.08)
あかい(09.13)
あっはっは(08.17)
後輩です(05.16)
TAGS
あいらぁぶ
ARCHIVES
RSS
RSS